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REPORT

TOKYOFABBERSの活動

TOKYO FABBERS’ MEETING♯2「FABは通用するのか FABで地域リソースを発見活用する:IID 世田谷ものづくり学校編」 レポート

 日時:2014年10月17日(土)19:30 – 21:30

会場:IID 世田谷ものづくり学校

ゲスト:渡辺ゆうか(FabLab Kamakura http://www.fablabkamakura.com/

司会:堀江賢治(HappyPrinters)

 

TOKYO FABBERSでは、FABスペースの抱える課題や、利用者であるFABBERの疑問に答えるべく、トークイベントを開催しています。

 

第2回目は地域コミュニティに根ざした活動を展開する、FabLabKamakuraの渡辺ゆうかさんをゲストに迎え、TOKYO FABBERS参加拠点であるIID 世田谷ものづくり学校に新たに導入されたFABマシンと地域資源の活用について議論しました。目立った産業のない世田谷区は人が資源ではないかとの発言もあり、議論は多いに盛り上がりました。

 

(文:熊谷、写真:皆川 TOKYO FABBERS事務局)

 

「新しいものづくりのプラットフォームとしてのFabLab」

 

FabCafe川井:今回は地域リソースを発見するというテーマですが、鎌倉でFABを軸にしながら、地域の中で活発に活動を展開されている渡辺ゆうかさんにお話を伺います。

 

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渡辺ゆうか:まずは簡単にFabLabの活動についてご紹介しますが、その前に一つご紹介したいことがあります。2011年にニューヨークタイムズに発表された記事に、2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は大学卒業時には今は存在していない職業につくだろう、と書かれていました。これはかなり話題になりましたが、私は今は無い未来の職業とFABは深く関わると思います。まず、FabLabは10年ほど前から拡がりはじめたデジタルファブリケーションを使ったオープンなコミュニティーで、世界的ネットワークが一番の特徴です。人を傷つけるもの以外は、ほぼなんでもつくるというスピリットで活動しています。3Dプリンターやレーザーカッターなど色々な工作機械を用いています。

 

デジタル工作機械が普及しパーソナルなものづくりに誰もがアクセスできるようになり、そうした上で実現するソーシャルなものづくりのあり方を見据えながら活動をしています。例えば、誰かがデータをシェアし、誰かがそれをダウンロードしてつくる。さらにはそれをリミックスしてクックパッドの様にアップロードして使うなど、もうすでにソーシャルなものづくりのあり方は生活に浸透しつつあります。

 

20世紀には大量生産大量消費の中で、使い手がつくることに関われなかったんですが、今は手元にツールがあることで、自分でものをつくる事が出来るようになりました。重要なのは、FABで何ができるのか?ということです。FABを20世紀の新しいプラットフォームと考えると、これはWebが普及しだした頃、Webで何が出来るのかという問いと、似た問いかけがされていると思います。情報社会の次に、デジタルファブリケーションがある社会が訪れ、そこで何が出来るか問われています。そしてWebの次にFabのプラットフォームが生まれたことで、今の活動が可能になっていると思います。また、先進国や途上国でどんどんFabLabの活動が広まり、スペースの数が増え、正確な数は把握できないくらいになっています。

 

「FabLab Kamakuraの展開」

 

2011年にFabLab Kamakuraを立ち上げたんですが、最初は都内にしようか考えました。とはいえ都内は放っておいても出来るだろうと思い、世界から見て面白い場所と考え、都内からも近く歴史な文脈もきちんと持ち合わせた場所として、鎌倉を選びました。2011年に鎌倉と筑波に立ち上がり、2014年10月現在11カ所のFabLabがあります。ネットワークを使って活動したいという方がこれだけ増えてきました。FabLab以外にもFabCafeなど様々な工作スペースが増えてきています。大きなテックショップが出来るという話もありますね。

 

現在IAMASの学生とともにFabMapJapanを作成しています。日本にどれだけのFABスペースがあるか数えましたが、現在webを持っているところだけで50カ所以上ありました。世界でも増加傾向があったので、2010年の段階からこういうスペースはどんどん増えていくと予想していました。一方でFabLab鎌倉はアクセスが良い訳ではないので、強みがどこか考えています。

まず、ファブラボの要素を紹介します。

 

1 FAB CHARTER(人を傷つけるものをつくらない)

2 OPEN ACCESS

3 NETWORK

4 TOOLS(共通機材がある、コラボレーションがしやすい)

 

FabLab Kamakuraはスペースが広い訳でもないし、機材も多くはない。住宅地にあるので、音がでないものや、持ち運びできるものを集めました。またこういうスペースは人のスキルによって使うラボが違います。FabCafeは珈琲を飲むくらいカジュアルに、もう一つはメーカースペースを使うスキルがある人。これからものづくりをしようとする人は、これまでのスキルがあり、ものをつくる人とは違うと思います。カジュアルにものをつくる人と、スキルがある人の間を埋めて、はしごをかけてあげようと思っています。ローカルとグローバルをつなぎ、新しい仕事をつくる人が増えてくると面白いと思います。また、大学レベルの研究を個人がやるための、可能性を開いていこうとしています。基礎は教えつつ、人が成長するような生態系をつくっていこうとしています。

また、FabLab Kamakuraの役割は3つ想定しています。

 

1 Community Lab

2 Research Lab

3 Incubation Lab

 

初年度はCommunity Labをつくるのが精一杯でした。その例として「朝ファブ」をやっています。最初は無料で施設が利用できると思われてしまい、一回だけ来る人が多く、そのおもてなしをしていたら疲弊してしまいました。そうした中で、もしかするとスペースが使いにくい方がいいコミュニティが出来るのではないかと考えました。そこで、月曜の朝9時に集まり掃除をしてくれた人が材料費を支払えば使用できるという、今の「朝ファブ」に変えました。わからないことは自分で調べてつくるなど、意思表明をしてもらうための朝ファブ憲章をつくりました。そうすると一番多いのはアクティブシニアの人が多くくるようになりました。例えばWebの土台を築いたような人、高学歴主婦などですが、世田谷の事情と共通していそうですね。ある程度参加者を放っておくと、5回くらいで3Dプリンターなどの使い方を覚えて、教える人になっていきます。さらに30-50回くるとほぼスタッフのようになってきて、主体的になってきます。

(朝ファブ映像)

 

「生活者による創造性の高い暮らしがかたちになる」

 

FABが「21世紀のよみ・かき・そろばん」として、よりよく生きるためのスキルになっていくといいと思います。FabLabKamakuraは曜日によって性質を変え、月曜はコミュニティラボ、週末はトレーニングプログラムを実施するなどしています。これからのものづくりではハードとソフトは両輪になるので、プログラミングも教えています。

 

トレーニングプログラムの成果としては、KULUSKAの事例などがあります。イラストレーターも使ったことがなかった革職人の方とレーザーカッターを使ってスリッパをつくりましたが、仕上げの部分などノウハウがつまっています。活動をワークショップの形式で広めていますが、そこに自分でつくるプロセスを入れこんでいます。これは発展して、南アフリカのケニアでも実践し、収益モデルをつくりました。例えばケニアで手に入る皮を使うなどしています。段々変化して日本でも売れるようなものになっています。

(Making Living Sharing 途中にKULUSKAの事例が紹介されている 日本語字フルバージョン:https://www.youtube.com/watch?v=YTwt7ji3EgY)

 

このように鎌倉を出て面白い動きが出来るのはプラットフォームとしてのデジタルファブリケーションに触れる機会があるからだと思います。データはグローバルなものを使い、素材はローカルなものを使うようになってきています。

 

その他の活動としてはFUJIMOCK FESというものをやっています。こちらは鎌倉と静岡の間伐材を利用し、森を元気にしていくことを目指して21世紀型の素材の循環を起こすことを考えています。プラットフォームのデジタル工作機械を使い、どうやってプロジェクトを立ち上げて持続していくかというところが今回のテーマと共通しています。内容としては富士山の間伐材でモックアップをつくりました。1年目は林野庁の単年度の助成をとり、120名の方に参加して、現地に素材を取りに行きました。林業など新しい領域とつなげたらどうなるのかを考えています。

 

1年目は割れない丸太をつくり、モデリングしようと思っていました。2年目はクラウドファンディングで活動資金をあつめ、素材の開発に特化していこうと思いました。製造の過程でプロダクトの可能性が広がっていきました。参加者の方には、持ち帰った木材を3ヶ月以上観察し、なぜ乾燥するかを調べ、割れない丸太を開発して起業された方もいます。また、レーザー加工できる厚さの木材をつくったり、iichiという手つくりのものを販売するサイトで商品になるものをつくる人も出てきました。今年も合宿形式で実施予定です。(2014年10月時点)

 

その他、FabLab Kamakuraでは単体の拠点ではなく、FAB TOWNとしてエリア全体でのものづくりのあり方を考えています。鎌倉駅とファブラボ鎌倉の往復だけで帰るのは寂しいですよね。素材のお店に加え、美味しい珈琲を入れてくれるカフェやお寺などのリソースをマッピングしています。古民家などもレンタルスペースになっているところも多く、いろいろな場所と連携して活動を広げています。そのほか、カマコンバレーというITを使って鎌倉を元気にしようする取り組みも盛んで、禅ハックという建長寺で実施したアイデアをカタチにするプロジェクトにテクニカルな面でご協力していたりしています。

 

FabLab Kamakuraは「生活者による創造性の高い暮らしがかたちになる」ということを目指しています。世界の流れを説明するのに、バルセロナであったFabLabのネットワーク会議であるFAB10での事例を紹介します。そこで「インターネットは生活を変えたが町を変えていない」という本が配られました。実は、マテリアルとFABは両輪で、機械だけあってもアイデアを思いつかない、ということが重要だと考えられています。そのほか、バイオの世界とFABを結びつける流れがあり、より生態系いフォーカスした取り組みとして、Green FabLabというものがあります。そこでは元修道院の中にFabLabを入れて自給自足の生活をするということが行われています。そのほかスマートシチズンというアイデアがありますが、市民が色々な情報をあげるデバイスを持ち、住人が地域を自分たちで形つくるという流れがあります。

 

FabLab Kamakuraを3年間やってきて役割として見えてきたのは、情報化や技術の普及により、創出される新しい職業領域や可能性に適した学び場と人材育成を目指して、その人とその地域の価値を最大化するというシステムとライフスタイルを構築することです。それをプロジェクトで見せようとしています。

 

「IID 世田谷ものづくり学校へFABを導入した経緯」

 

IID 世田谷ものづくり学校 木下:IID 世田谷ものづくり学校はTOKYO FABBERS立ち上げ時には機材がありませんでしたが、その後導入しました。IIDのFABスペースは「PTA」という名前ですが、他の拠点との異なる点としてハイエンド3Dプリンターも設置しており、こちらは自由に使ってもらうというよりは、造形受注が主なサービスとなっています。ある意味FABとはいえない要素もあります。

 

IIDを詳しく説明すると、廃校となった中学校を活用し、クリエイター、地域住民、企業など様々な人が行き交い刺激し合う場になることを目指している施設です。2004年にオープンして以来10年間運営を継続していて、世田谷区と協定を結んで事業を実施しています。ミッションは地域貢献、産業振興、観光拠点が三本の柱になっています。そのため、毎週末を中心にイベントを開催するなど、地域の人へ開くようにしています。ここにはワーキングスペースとして、クリエイティブに関わる様々な企業が入居していますが、オフィスであると同時に公共施設でもあります。2014年10月13日には今年4年目になる世田谷パン祭りを実施しました。三宿四二〇商店街が運営母体となっていますが、今年は2万人近く来場しました。じわじわと「働く」「遊ぶ」「学ぶ」が交わるコミュニティが出来てきたのではないかと考えています。これまでの一番の成果は色々な活動をする中で自然と人が集まる場になってきていることだと思います。

 

こうした、一つの箱の中に色々な活動がはいっている場所で、なぜFABを取り入れたのかといえば、クリエイターの誘致、地域コミュニティの形成、観光拠点化については一定の成果をあげてきたので、今後目指す姿である新しい製品・サービス・ビジネスモデルが生まれるプラットフォームになるべく、新しい事業を展開しようと考えているからです。そのため世田谷ブランドとはなんなのかと考えています。特徴として考えられるのは職住近接のクリエイターのWORKと高感度な生活者のLIFEが近い場所にあることです。IIDではハード面で3Dプリンターを導入したことで、なにか立体物をつくり、それを例えばギャラリースペースで展示・試用するようなことができるようになりました。また、プロダクトを試作し、販売してみるなどもできます。製品開発するまでの色々なプロセスをオールインワンでここで出来るのではないかということが見えてきました。FABの導入によって、少量量産も可能になります。ゆうかさんの指摘によれば、昔は「ユーザーは生産に関われなかったが、今は変わってきている」とのことですが、ここならそれがすぐに試せます。ここまでがPTAをつくった理由です。

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人が集まる環境ができたので、そこにFABを導入した、というのが現状ですが、様々な人により主体性をもって関わってもらうためにはどうしたらいいのか?それをさらにプロジェクトに引き上げるには?一過性のイベントで終わらせないためには?など疑問がたくさんあります。継続して形になるプロジェクトがあるはずですが、目の前の採算性にとらわれるとだめになってしまいがちです。日々の課題は継続させることです。これは普遍的な課題ではないでしょうか。

 

「通いたくなるFABスペースとは」

 

堀江:それではTOKYO FABBERSに参加しているFABスペースの皆さんや、お客さんからもご意見うかがいたいです。まずはFABスペースそれぞれの利用方法を教えてください。

 

FabLab Shibuya井上:都内唯一のFabLabのディレクターをしています。実は渋谷にいる人の内、90%以上は渋谷の人ではありません。FabLab Shibuyaを利用するためには、先月までは機材の講習会を受けてもらってからにしていました。でも講習を受けた後に、つくりに来るのは10%くらいです。大半の人は気になっても、つくりたいものはないんです。実際の利用者は美大出身とか、技術職とかバックグラウンドがあります。そのため残りの90%へのフックとして、毎週日曜に参加者が集まる「メカニズムの標本」というプロジェクトをやっています。

 

堀江:ものづくり素人でも参加できますか?

 

井上:イラストレータさんとかもいらっしゃるし、大丈夫ですよ。

 

Makers’ Base 松田:Makers’ Baseは会員制です。敷板が高いと思われがちですが、そんなことはありません。うちは、金工や木工など、デジタルファブリケーションではない機材を一番多く置いています。

 

FabCafe 岩岡:FabCafeはカフェです。スタッフが一緒に丁寧にやり方を教えます。イベントも色々やっているので、巻き込み型のスタイルをとっています。

 

参加者1:FABスペースをもっと使いたくなるようにしてほしいと思います。ある意味FABの人は内輪で楽しそうで入りづらいと思います。

 

堀江:木下さんの質問にあった、主体性を持って関わるにはどうしたらいいと思いますか?

 

木下:どうやったら主体性を持って関わってもらえるでしょうか。今の、入りづらいという話につながりますが、最初は自分も使おうと思えませんでした。なんだか面白そうとまでは、本などの情報で思うようになります。そこから自分でつくろう、それを使って何かつくっている人たちにジョインしようとなるかといえば難しいです。

 

渡辺:私も1回ではなく100回来てもらう施設になるにはどうしたらいいかと考えています。

講習会をやっても、FabLab Shibuyaと同様のことが起きています。講習を受けた人の利用率は低いですね。朝ファブは意図的に敷居を高くしていますが、朝9時に鎌倉にくる人が多くいます。北海道、国分寺、沖縄、名古屋、辻堂、など様々なところからいらっしゃってます。

 

FabLab Kamakuraユーザー:情報収集のためもあり、平本さんのしぶや図工室(現在閉鎖)でデジタルファブリケーションのソフトを学んだりしましたが、つくりたいものが見つかりませんでした。FabLab Kamakuraに1、2年かけて継続して通って、つくりたいものが見つかりました。その後は技能講習が役に立ちました。継続して通うのが大事ですね。100人が100人化けるとは限らないが、化ける人もいるかもしれないです。私自身は時計などつくってみました。

 

堀江:まさにものづくりが自分ごとになったのですね。

 

渡辺:ものづくりスペースに通うと抜きん出た人が出てくるので、そういう人が活動できる場所があるといいですね。自分で走り出せるというのが大事ですね。

 

FabLab Kamakuraユーザー:鎌倉はユーザーにおかまいなしですよね。いい意味で面倒見が悪いです。あまりスタッフに頼れないので、来た人同士でなんとかしないといけない。

 

渡辺:面倒見が悪いとおっしゃったユーザーの方が、今では朝ファブマスターとして関わってもらっています。(笑)

 

参加者2:私は西千葉工作室を立ち上げました。お店をやりながら今聞いたようなことをトライアルしています。もともとはコミュニティデザインに興味があり、修士にあがって、FabLabみたいな場所を町の中につくろうというプロジェクトに参加しました。地域づくりから入り、千葉大学そばの普通の住宅街で活動しています。

 

堀江:アイデアや趣味をビジネス、プロジェクトにまで引き上げるにはどうしたらいいでしょうか?

 

木下:ワークショップに参加者した人が100人いても、その中から自分でつくる人になることは少ないのが課題ですね。

 

渡辺:FabLab Kamakuraでは対象によってアプローチを変えています。やはりこういう場に寄り付く人と寄り付かない人がいます。地方の自治体ごとに、そこにいる人に周波数が合うとか、感度が合うワークショプをやるのがいいと思います。なるべく手離れよく活動をするためには、レベルにあったワークショップをやり、一人でも二人でも自分で動く人をつくるといいと思います。例えば、電子工作基盤のarduino自体をつくれるような人をつくるとか。3Dプリンターやレーザーカッターは1年くらい使うと飽きるので、その後はプログラミングや電子工作をやりたくなるようです。ものづくりには関わり方のレベルがいろいろあるので、すみ分けがあっていいと思います。FABのステップにはfor Personal/for Community/for Companyの段階があると感じています。

 

「地域にいる人が資源になる」

 

堀江:鎌倉は最近話題になることが多いですね。

  

参加者3:もともと鎌倉にはカヤックという会社があってクリエイターが集まっていましたよね。そこに任意団体が立ち上がって、ものづくりの人が増えています。今は禅と結びついて、メディテーションをして集中力をあげるなどという活動もしています。

 

堀江:よく地方の人に、東京だからTOKYO FABBERSのような活動が出来るんだろうと言われますが、そうではないと思います。現に鎌倉でも面白いことが起きています。

 

参加者3:それぞれのエリアに資源があるので、そこと結びつくと面白くなるのではないかと思います。

 

堀江:世田谷はパン祭りが地域資源を活用した代表例ですか?

 

木下:はい、実は世田谷にはパン屋が多く、パンを楽しむライフスタイルがある。ものを買うときにバックグラウンドとかの、金額の先にある価値をジャッジできる人が多く住んでいるのは世田谷の価値ですね。糸井重里さんから世田谷パン祭り、これほど良いコンテンツはないと言われたことがあります。もともと商業は盛んで農地もありました。

 

渡辺:世田谷区には高学歴の主婦層がたくさんいる感じがしますね。ビジネスのどこに焦点をあてるかは大事ですね。主婦コミュニティが嫌な人が鎌倉にもいる。世田谷のリソースはそこじゃないでしょうか。主婦層が立ち上がってくると面白いですね。例えばネイルが好きな人も、ものづくりにむいてそうです。

 

木下:GEEKママでしょうか?

 

井上:「&Fab」もお店によって立ち止まってつくっていくのも、リピートしてくれるのも女性が多いですね。1番多い方で20回は来てくれています。FABにおいて、確実に女性の参加がキーワードになってくると思います。これまでのものづくりは日曜大工とかマッチョな男性がやるイメージでしたが、デジタルファブリケーションは筋力がいらないですから、女性に向いています。

 

参加者4:大学院でものづくりの研究をしています。このシーンで男女は関係ないと思います。日本では手芸などのテキスタイルのジャンルと、ものづくりが分かれていますが、デジタルファブリケーションで融合したら面白いと思います。

 

堀江:確かに、手芸屋のユザワヤは女性客が多いですね。

 

参加者4:もしかすると家事や料理などをしている女性の方が企画することに慣れているかもしれないと思います。

 

堀江:ものづくり作品のECサイトであるiichiの女性の登録数はどうですか?

 

iichiスタッフ:女性の方が登録数は多いです。手芸も木工も金工も。

 

堀江:専業主婦と兼業主婦どちらが多いんですか?

 

iichiスタッフ:両方います。例えば学生時代に何か制作していて、再開したら周りの人に売れて、副収入になっていることもあるようです。

 

松田:Makers’ Baseは圧倒的に女性が多いですね。男性は女性に連れられてきます。

 

渡辺:FabLab Kamakuraは男性が多いですね。

 

井上:FabLab Shibuyaも男性が多いです。

 

岩岡:FabCafeはオープン時は男性が多かったんですが、ゆるやかに逆転してきています。

 

渡辺:女性のほうが、もやもやしているのではないかと思います。子育てや家庭と両立しないといけない。でも細切れの時間では手があいていたりする。世田谷ものづくり学校周辺にお住まいの、高学歴かつ家庭にいる女性は、サービスをデザインすることが得意な人が多い気がします。身近な人のためという側面もありつつ、社会的な意義への理解も高いエリアにも思えます。自分の存在する場所、価値を求めている方も多いと思うので、もしかするとものすごいパワーを発揮するかもしれません。

 

参加者5:京都で小さいFABスペースをやっています。最近はコミュニティづくりの話を良く聞きますが、コミュニティが出来上がってしまうと新しい人が入りづらくなりませんか?

 

渡辺:コミュニティはつくればつくるほど排他的になります。そこで、それをリセットできるように、コアになる人はいても、常連さんと新しい人の関係がフラットになるようにしています。そこで、朝ファブでは掃除を取り入れています。自己紹介する前に掃除をすると、不思議な一体感が生まれるようです。

 

参加者6:朝ファブに調査として参加しましたが、流れとしては、まず掃除し、その後自己紹介でした。常連さんを含めた参加者が何をつくりにきたか、何のために来たかを話します。そうすると機材について教え合うこともスムーズでした。内輪話ばかりにならなかったのは、最初の時間が良かったからだと思います。

 

堀江:コミュニティ形成に掃除は大事なのですね。

 

川井:PTAにはハイスペックな機材がありますね。あそこまで来ると用途が見えないがどういう意図ですか?

 

木下:意図的にはこの中につくったのは、入居者に使ってもらいたかったから。ラピッドプロトタイピングしてほしかった。新しい表現が生まれるといいと思います。3Dプリンターなどはオープンに受注したいと思っています。これも新しい使い方を試してほしいと思っています。

 


 

FABシーンでの昨今の流れから、地域のリソースを活用した事例の紹介まで話題は多岐に渡りました。世田谷という高学歴層が多い地域では人こそが資源なのではないでしょうか。もしかするとFABの活用が女性を中心にもっと盛んに行われるかもしれません。

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